- とある少年の日記 -


彼は、ある日突然現れた
だけど、僕以外の人は彼の存在に気づいていない
どうしてだろうか
彼は突如現われては消えてしまう
今いると思っても、そこに彼の姿はない
僕と同じ、白い髪、赤い瞳
僕以外の人には、彼の姿は見えていないようだ

彼は何も話さない
いつも何かを考えて、寂しそうにしている―――僕にはそう見えた

ある朝、村の鶏達が殺される事件が起きた
僕はすぐに彼がやったのだとわかった
彼の手は血だらけだったから
「あの子がやったんだ!!」と言ったけど、皆信じてはくれなかった
村の皆には彼が見えていない、だから誰も信じないんだ
ママもパパも、村の皆も僕を睨みつけた
皆、僕がやったんだと疑っているんだ
皆、僕の事が嫌いだから、そうやって決めつけるんだ

- とある少年の日記 2 -


次の日、今後は豚達が殺された
でもそれは仕方のないことだ
鶏も、豚も、僕を責めるからいけないんだ
鶏はうるさいし、言う事を聞かないわからず屋だから嫌いだ
豚は汚いし、臭い、一日中寝ているから嫌いだ

僕だけが彼を知っている、彼の憎しみを理解してあげられる
怖くはなかった
なぜだか、一緒にいるととても心地よかった

僕等は、黄色の花畑を走った
手を繋いで、一生懸命に走った
外の世界を目指して

僕は今、地獄のような苦しみと後悔を思い出した
僕は明日殺される
村の皆を殺した罪で、火炙りにされるんだ
全部彼がやったのに、僕は何もしていない!!
皆には彼が見えないから、だからこうやって僕を犯人にして
僕が捕まったのに、彼は笑ってた
死にたくない、死にたくない死にたくない怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわい嫌だ死にたくない嫌だ嫌だ嫌だ死にたくない死にたくない嫌だ嫌だ嫌だ死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない