-逃げた兎たち-


暗い暗い森の中を、少年少女は駆け抜けた。
遠くに見えるのは、戦火の炎。
二人は逃げなければならなかった。
何故か。
少年が連れ去ったのは、この地上で何よりも価値のある存在。
その少女に宿った命は、必ず偉大な王になる。
――「神の子」だったのだから。

 

-神の子-


女神ノアの信託を受けて地上に降りるとされている、伝説の神子。
その腹に宿った命は、必ず偉大な王になるという。